NECソフトからのアプローチ
NECソフトからのアプローチ
携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインを手掛けるSI企業の総合力
顧客の業務運用を支援するため、コンピューターシステムを統合的に維持管理するSI企業・NECソフトが、ゲームなどのエンターテインメント系携帯電話コンテンツを手掛ける―。一見するとコアコンピタンスからかけ離れた取り組みにも見えるこの挑戦が、今までにない成果を芽吹かせようとしている。企画・開発・デザインのすべてを自社内でこなし、ユーザーに近いアプリケーションをリリースできる総合力で、NECソフトが新たに目指しているものとは何か。
コンシューマー市場向けの携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインを手掛けるSI企業

NECソフト株式会社
新潟支社第四SIグループ
塩田健リーダー
「何に限らず『新しいものをやる!』という攻めの姿勢で、私たちは技術開発やソリューションに取り組んできました。携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインを手掛けているのも、そういったスタンスから。NECソフトが今までやったことのない領域であり、面白そうだということも大きなモチベーションになりましたね」と開口一番、携帯電話コンテンツを手掛ける背景について語る、新潟支社第四SIグループの塩田健リーダー。
SI企業であるNECソフトが携帯電話コンテンツを手掛けていることは、まだあまり知られてはいません。それも、サーバーシステムの構築や端末アプリケーションの開発だけでなく、従来までは守備範囲外と思われていたコンテンツ展開の核となるデザインの領域まで自社内でフォローしているとは想像もできないでしょう。
NECソフトがコンテンツのデザインに取り組んだのは、2002年12月のこと。NECのプロバイダー事業であるBIGLOBE内のBB対応サイト作りに端を発します。このとき、デザイン開発力の重要性に着目し、以降NEC端末向けにドコモのiアプリ環境で動作するゲームや待ち受け画面を制作。そこで得たノウハウをベースに、2003年6月には国内のゲームソフトを中国向け端末に移植するプロジェクトを経験しました。そして、2003年8月より、auのEZアプリ(BREW※1)環境で動作するゲームをリリース。本格的に携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインに乗り出していったのです。
潜在能力の高いBREWの優位性に着目し、いち早くコンテンツ開発に着手
auのEZアプリ(BREW)は、それまでの携帯電話コンテンツの主流で、各キャリアから提供中のJava※2によるアプリケーションサービスとは異なり、BREWによるアプリケーションサービスによるものです。
このBREWアプリは、多くの開発者になじみのあるC/C++言語での開発が可能で、開発期間の短縮や費用削減といった効果につなげやすく、Javaベースのソフトウェア環境よりも高速にアプリケーションの起動や実行が行えるメリットがあります。なぜなら、BREW端末には専用のハードウェアチップが搭載されており、携帯電話内部のチップ上でバイナリ・プログラムを直接動かせるからです。その分Javaに比べ、より高速で高機能のアプリケーションが利用できるのです。
また、携帯電話の電話帳や受信メールなどのデータへのアクセスや、着信メロディの変更など、携帯電話のコアに近い部分までコントロールできる環境が提供されます。こうした長所をかたちにしていくことに意義を見いだし、NECソフトはauのEZアプリ環境で動作する携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインに本格的に取り組みました。
「NECソフトの看板を背負って新しい技術領域へ挑戦するという側面からも、auのEZアプリでBREWを手掛けることに大きな意味がありました」と新潟支社営業グループの羽部康博リーダーは語ります。
開発力とデザイン力の両立で生み出されたコンテンツがダウンロード記録を続々更新!
2003年8月に第一弾となる「ピンボール」をリリースしたNECソフトは、その後、「マージャン」や俳優の稲川淳二氏の怪談が読めるアプリを続々開発。軒並みダウンロード件数の記録を伸ばし、累計ダウンロード数が10万件を超えるアプリも登場。KDDIのアプリカタログ上でNECのサイト順位向上に大きく貢献しています。
「開発ができてもデザインが素人というベンダーや、デザイン力はあっても開発は苦手というデザイン会社など、開発とデザインを両立させた存在は意外と少ないもの。その中で私たちはSI案件で培った開発力、ユーザーの使い勝手と遊び感覚をくすぐるデザイン力、両方向からアプローチできたことが高い評価につながったのだと思います」(羽部リーダー)。
NECソフトは、顧客が抱える経営課題や業務内容まで立ち入って詳細な分析を施し、そこに見えてくる問題をトータルに解決していくことを目指してコンピューターシステム導入の企画・構築・運用、さらには完成したシステムの保守・管理までを一括して請け負ってきました。そういった顧客を第一に考えたソリューションの提供で磨かれたノウハウが、コンシューマー市場向けのビジネスでも結実したのです。
ユーザビリティーを高める総合力で次代の携帯電話のサービスをかたちに
この成果を受け、NECソフトでは次のフェーズへつなげるプロジェクトがいくつも立ち上がっています。
「今回テーマの携帯電話コンテンツの開発は、これ自体目的ではなくあくまで手段と考えています。我々は常に新しい技術領域にチャレンジし、次のSI案件への展開、応用を目指しています。例えばWebアプリケーションサーバーを利用してBREW対応携帯電話からグループウェアにアクセスし、基幹システムの情報が参照できるミドルウェアや、当社ユーザー様の不動産情報を配信するシステムなどに応用しています」と新潟支社第四SIグループの竹野義浩プロジェクトマネージャーはプロジェクトの一部を明らかにします。
ほかにも、次期携帯電話のコンテンツとしてNECとの協働による新企画や、携帯電話による電子認証・決済を行うソフトウェアの端末機能の強化開発などが具体的に進められています。
携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインの実績を突破口に、次代の携帯電話のサービスをかたちにするNECソフトの挑戦は、これからも繰り広げられていきます。
新潟支社で携帯電話コンテンツの企画・開発・デザインに携わるメンバーたち。左から、第四SIグループ塩田健リーダー、営業グループ羽部康博リーダー、第四SIグループ竹野義浩プロジェクトマネージャー。
BREW端末を活用した社内情報システムアクセス基盤

BREW端末はアプリケーションを認証式とすることでセキュリティーを強化している。また、携帯電話の中にある電話帳やユーザー情報にアクセスできるなど利便性も高く、グループウェアと連動させたアプリケーション開発に注目が集まっている。
- ※1 BREW
- Binary Runtime Environment for Wirelessの略。ワイヤレス対応バイナリ・ランタイム環境。cdmaOneの開発元であるクアルコム社が、携帯電話端末向けに開発したアプリケーションプラットフォーム(プログラムを開発・実行できる環境)。
- ※2 Java
- サン・マイクロシステムズ社が開発したオブジェクト指向型のプログラミング言語。インターネット上でアプリケーションを開発するための言語として広く普及している。
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